中学校3年間を15期間に分ける

フォニックス

中学校の3年間を15の期間に区分けして、英語の学習指導(特にライティング指導)をデザインしています。

参考記事:中学校3年間を見通して指導する

参考記事:「英作文問題集」の工夫のすべてを公開

図にしてみた

図にするとこんな感じ↓

パソコンでもスマホでも見にくいので、解説すると・・・

各学年を4月〜5月、6月〜8月、9月〜11月、12月から1月、2月〜3月の5つの期間に分けます。

それぞれの期間に名前をつけます。

1年生の最初の期間を「初心者期」

3年生の最後の期間を「卒業期」

各学年の6月〜8月を「夏休み期」

各学年の9月から11月を「充実期①」

各学年の12月から1月を「充実期②」

各学年の2月から3月を「次学年準備期」とします。

なぜ「5つ」なのか

なぜ学年を5つの期間に分けて授業運営や英語科の運営をデザインするのかというと、中学校でのテスト(中間テスト、期末テストなどと呼ばれているもの)が5つだからです。

その1つ1つの期間が終われば、学校のテストがあるので、各期間でどんなチカラをつけるのかイメージしやすくなります。生徒も教師も。

ちなみに「英作文問題集」には、それを明記し、生徒が英作文を取り組みやすくする工夫をしています↓

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最も大切な期間

3年間の英語学習のうちで、わたしが最も大切だと思っているのが青で囲った期間です。

この中1の最初の2ヶ月間をどう学習するかが、その後の英語学習を左右すると行っても過言ではありません。

言い換えれば、この2ヶ月間をしっかりと学習すれば、中学校の英語を習得できる可能性が上がります。

では、この期間にどんなことを身につけるべきなのか、見ていきます。

家庭での学習習慣

何と言っても、まずは家庭での学習習慣

家庭での学習習慣って、本当に大切なんですよね。

安心して家庭で学習できる家庭環境が整っているのが大切なんですね。

英語の学習って、本当に多岐にわたります(他の教科もだけど)。

単語の学習からリスニングのトレーニング、英作文もいっぱい書かないといけないし、リーディングもあります。

簡単に言うと「宿題をこなす習慣」をこの2ヶ月でしっかりとつけていきます。

小学校の時点で家庭学習の習慣がある生徒は、その意味ではすんなりと学習に入れます。

フォニックス

次に、フォニックスです。

全国の中学校(特に1年生の英語学習初期段階)の英語の授業では、この「文字と音との繋がり」を十分に教えないまますぐに文字指導に入ってしまいます(以前は自分もそうでした・・・)。

言い換えれば、例えばbookがなぜ「ブック」と読むのか、「make」をなぜ「メイク」と発音するのか十分に指導されないまま、「それはそういう読み方だから、何度もノートに書いて、暗記しなさい」という、「指導」とはかけ離れた授業が展開されているのが現状なのです。

そして、「なぜこんな簡単な単語を読めないのだろう・・・?」とばかり思っていました。「生徒が読めない」のではなく、「生徒が読めるように指導していない」のが実態だったのだと思います。

そこで、以下のような「フォニックス指導」を行って、中学校で出会う単語を所見でも7割から8割読めるようになることを目標に指導しています。

文字1つ1つの音が繋がった結果が英単語の発音と考えよう

bookは、「bという子音」「ooという二重母音」「kという子音」がつながっている結果ですし、makeは「mという子音」、後半部分は「マジック(サイレント)e」を知っていれば初見で簡単に読むことができます。これを理解できれば、「took」、「take」や「Mike」の読み方も簡単です。

こういった簡単な「文字と音との繋がりルール」(フォニックス)を知っていれば、中学校で学習する多くの単語(例外が多いので全てではありませんが……)を初見で読むことができます。

そして、初見である程度の数の単語を読めるという状態を作っておけば、生徒は音読活動に自信を持って取り組むことができますし、教師は発音指導が短くて済むので、浮いた時間を他の活動に充てることもできるでしょう。

フォニックスを学習する目的はここにもあります。後の単語学習の時間を節約することで、浮いた時間を他の活動に当てて、生徒の英語力の向上を図ります。

指導しているフォニックスルール

フォニックスルールの中から、私が生徒に教えているルールは5つあります。

1.子音
授業では、アルファベットは単語の中に入ると、1つ1つに「仕事」(仕事読み)があるんだよ、と表現しています。母音(aiueo)以外のアルファベット、すなわち子音の発音をまずはしっかりと学習させます。特に、「bやpなどの破裂音」や「kやsなどの無声音」は何度も練習させ、1人1人が正しく発音できているかチェックしていきます。

2.母音
母音の5つ(aiueo)も並行して学習させていきます。特に定着率が低い「u」は何度も練習し、「ユー」にならないように指導する必要があります。

3.二重子音
「ch」や「sh」などの二重子音と呼ばれる組み合わせも指導していきます。学習者にしてみれば、別々の「仕事」をしていた2つのアルファベットが、特定の組み合わになったら違う音になるので、定着が低く難しいと言えるでしょう。さらに二重子音を定着させる上で障害となるのが、chに代表される2つ以上の「仕事」を持つものです。chは「チッ」「クッ」「シッ」と発音されるので、指導に注意が必要です。また、「gh」のように、単語の最初にある場合と最後にある場合で発音が異なるものもあります。複雑ですが、学習者にとってはこれを乗り越えれば、初見で読める単語はかなり増えていると言えるでしょう。

4.二重母音
次は、「ea」や「ie」などの二重母音です。二重母音に関しては、ポライトボエルと呼ばれるルールの学習とし、学習者の負担を考え「一文字目をアルファベット読みする」という説明にとどめます。「数多くの例外を覚え、中学校で出てくるすべての単語を初見で読めるようになること」を目標としているわけではなく、「ある程度のフォニックスルールを覚え、できるだけたくさんの単語を所見で読めること」で、後の単語学習負担を軽くすることが目標ですので、これに関しては、あまり細かく指導する必要はないと考えています。

5.マジックe
最後はマジック(サイレント)eです。このルールは、理解さえすれば読める単語が劇的に増えますので、「単語の最後がeの場合、その前の母音をアルファベット読みする場合が多い」と例を提示しながら説明しています。さらに、「cutとcute」など、マジック(サイレント)eがつくことで発音が全く変わるペアも提示できると、より生徒の学習につながるでしょう。

「英語版50音表」に当たるのが「フォニックス」

 従来のように単語1つ1つの読み方を教えていくのではなく、「なぜその英単語は、そういう発音になるのか」を考えて、フォニックスで紐解いて指導していくことで、劇的に単語学習に関する負担を減らすことができるのです。

 中学校に進級してきたからといって、慌てて文字指導に入る必要はなく、まずはフォックスを中心とした音声から指導していき、英文を書いていく上での細かなルールはその後に回します。入学してきた中学1年生の4月から2ヶ月近く(初心者期)をかけて、徹底的に指導するようにしています。当然ですが、最初の定期テストは音声中心の作問(約8割がリスニングによるフォニックス関係の問題)となります。

 私たち、日本語話者の日本語習得を思い出してみると、「50音表」を必ず成長のどこかで練習しています。「か」と「い」と「ま」という3文字を読めることで、「かいま」だけではなく、「かい」と「いま」を同時に読めるようになります。この「英語版50音表」に当たるのが「フォニックス」であると考えられます。

明治図書ONLINE「教育Zine 英語学習のスタートダッシュを! 「フォニックス」で単語学習の負担を大幅に減らそう!」を改編。

授業の作法

この2ヶ月で、英単語は「大きな声で発音する」だとか、机を合わせるよう指示されたら隙間がないように机をくっつけるなどの「授業を受ける作法」もここで徹底します。

小学校でもみっちり指導をされてはきていますが、授業は一生懸命取り組んで集中して受けるといったことも再度話をして、全員が身につけるように話をしていきます。

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英作文の指導時期

実際の英作文の指導は、図の赤枠の部分で行います。

前述の通り、1年生の「初心者期」は音声中心の指導を行うので、本格的な文字指導は6月からにしています。

よって、その時期以外の14の期間で英作文の力をつけていくことになります。

充実期①・②

各学年の9月から11月、12月から1月は「充実期」としています。

秋は比較的気候が穏やかで、部活動の大きな大会も一段落しているので、学習に向かいやすい時期といえます。

また、徐々に次の学年のことが気になりだすのもこの頃かなと思います。

この比較的集中しやすい2つの時期を「充実期」として、学習に取り組みます。

1年の充実期

1年生の充実期には、「1日の生活」や「現在進行形」、「三単現のS」、「過去形」あたりがメインの文法事項になると思います。

*「1日の生活」は文法じゃないけど・・・。

これらの文法事項を使うようなトピックを多く設定して、数多くの英作文を取り組みます。

特に「1日の生活」は拙著↓でも書きましたが、ペア活動を取り入れながら、時間をかけて指導したい単元と言えます(詳しくは書籍の中で書かせてもらいました)。

2年生の充実期

2年生の充実期には、”when”や”if”、”because”などの接続詞と呼ばれる言葉を学習します。

それにより、単文と単文を組み合わせた「複文」を扱えるようになり、表現の幅が広がります。

その意味では、かなり重要なパートといえます。

また、この表現を上手に扱えるようになるためには、「語順」の理解がマストです。

その理解がないと、”I like science because interesting.”といった日本語をそもまま英語に直してしまいます。

丁寧に時間をかけながら指導したいパートといえます。

3年の充実期

3年の充実期には、「関係代名詞」や「現在完了形」をすべて学習していきます。

また、進路のことが気になりだして、高校入試のための勉強も始まります。

このあたりまで学習が進むと、英語力の底上げと維持を図りながら、色々な様々なタイプの問題に取り組んでいくと思います。

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英作文問題集

以上のように、3年間を15の期間に分けてライティングに特化して作った問題集が、「英作文問題集」です。

その問題集をモデルとした書籍を明治図書出版社から発刊しましたっ!

チェックしていない方は、ぜひ見てみてください!

以上、「中学校3年間を15期間に分ける」でした!